
写真を飾る、その先へ
シャッターが切られたその一瞬には、写真家の視線の先にあった風景、そこに流れる空気や光の揺らぎ、遠くで聞こえる子どもの遊び声や波が打ち寄せる音、そしてその場にいた人たちの気持ちまでもが閉じ込められている。
そんな一枚の写真が壁に飾られることで、空間に新しい物語が生まれる。
たとえば、壁に飾られた一枚の風景写真。
それは、旅先で偶然出会った景色かもしれないし、まだ行ったことのない憧れの土地かもしれない。
ふとした瞬間、その写真に目を向ける。
朝、コーヒーを淹れるとき。
仕事から帰ってソファに腰を下ろしたとき。
何気なく眺めているうちに、心がその風景に引き込まれていく。
「次の休日はどこへ行こう?」
「いつかこの景色に会いに行きたい」
そんな気持ちが自然と芽生えてくる。
いつの間にか、出かける予定を立てたり、家族や友だちに連絡を取ったり、久しぶりにカメラを手に取ってみたりする。
写真はただの飾りではなく、記憶や感情を呼び覚まし、次の一歩を後押ししてくれるもの。
だからこそ、「写真を飾る」という行為には、思っている以上に大きな意味がある。
「FROM_SOMEWHERE」は、そんな写真を飾る文化を広げるために生まれました。
ここに並ぶ写真は、私たち自身が心を動かされたものばかり。
そして、それを届けてくれるのは、写真を飾ることが人の気持ちや暮らしを動かす──そんな私たちの思いに共感してくださった写真家の方々です。
その写真が映し出すのは、ただの景色ではありません。
空の色、風の匂い、かすかに聞こえる音、そしてその場に満ちていた空気。
写真が持つ奥行きのある世界に触れるたびに、まだ見ぬ土地への憧れや、もう一度訪れたい場所への思いが静かに湧き上がってきます。
「FROM_SOMEWHERE」では、きっとお気に入りの一枚に出会えるはずです。
その写真が部屋にあるだけで、出かけたい気持ちが少しずつ育っていく。
そして、実際にその場所を訪れたとき、写真の中の風景は自分だけの体験と結びつき、思い出の一部になっていきます。
見るたびに、そのときの風や音、気持ちがよみがえり、あたたかな感情が広がっていく。
日常のなかに、ささやかな歓びが生まれる。
私たちは、こうした体験が、もっと多くの人の暮らしに広がっていくことを願っています。
写真を飾ることで旅が生まれ、思い出ができて、日常が少しだけ豊かになる。
お気に入りの一枚が、誰かの心をそっと動かし、新しい行動のきっかけになる。
それが、「FROM_SOMEWHERE」が目指すかたちです。