Vol.02西表石垣国立公園

Iriomote-Ishigaki National Park

亜熱帯の森の奥深さと、透き通った海の青さ。この島々には、ほかの場所では出会えない二つの世界が共存している。

フォトグラファー・西山勲が、PAPERSKY編集長・ルーカス B.B. と、アーティスト・CHALKBOY(吉田幸平)とともに西表島へ。その場に漂う雰囲気や心が動いた瞬間。その全てを一枚の写真に宿らせるものがたりを、言葉とともに辿ります

Iriomote-Ishigaki National Park

Episode 01

髭と牙

束の間の雨上がり。

西表島の北部を走る白浜南風見(しらはまはえみ)線から見えたピナイサーラの滝。

数日前から続いた豪雨の恩恵か、その隣にもう一本の滝があった。
ヒナイ川からまっすぐ豪快に落ちるピナイサーラの滝は、
白く垂れ下がったひげに見えたことから名付けられたそうだが、
この日現れたふたつの大きな滝は、僕には2本の牙に見えた。

直前にこの船浦大橋(ふなうらおおはし)のたもとで記念撮影をした、
イリオモテオオヤマネコの銅像のせいかもしれないけれど。
髭と牙

Episode 02

海に出る

西表島滞在最終日。

頭上には昨夜の豪雨が嘘のように真っ青な空が広がっていた。
ただ海辺の風は依然強く、遠く外海との境界には白い波が立っている。

僕らは幸運なことに、古くから沖縄地方で使われてきた伝統的な木造舟「サバニ」の出帆に立ち会うことができた。
幸平くんに至ってはこの小さな木の舟に同乗するという貴重な体験を得た。

帆で風を受け、櫂(かい)を漕いでいざ海に出るサバニは、風をつかんでたくましく波を切り進んでいった。
海に出る

Episode 03

旅が暮れて

降りしきる雨と強風の中で描かれたいくつかのスケッチ、とその様子を捉えたたくさんの写真。
そうした確かな旅の痕跡を残して、帰路に就くバスが出発する。

僕はもう一泊するので、バスに乗り込むルーカスと幸平くんを見送る。

夕暮れとともに一人になる気楽さと同時に寂しさがやってくる。
そして幸平くんの置き土産は、バスの座席に財布を忘れることだった。

少しの面倒臭さと、忘れられない笑いをたたえた失敗談。再会がいっそう待ち遠しくなるのだった。
旅が暮れて

FRAMED LANDSCAPE

- 西表石垣国立公園の風景

  • Iriomote-Ishigaki National Park

    Iriomote-Ishigaki National Park / 西山 勲

    ¥32,000〜
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    Iriomote-Ishigaki National Park / 西山 勲

    ¥32,000〜
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